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2025年12月31日 (水)

馬力は技術的には存在しません by Toyota USA

エンジンの馬力は「エンジントルク×回転数×定数(0.00136)」で求められますが、これは言い換えると"馬力は計算でしか求めることが出来ない"ということです。
トルクや回転数はエンジンの物理的な動作を計測した"測定値"ですが、エンジンに馬力という物理的な動作はありません。つまり、計算で数値を求める以外に方法がないのです。
馬力は単なる"計算値"で観念的なもの(※)ですから、馬力がクルマを動かすことはなく、またクルマを走らせても乗員が馬力を感じ取ることもできません。
(※ ワットが「75kgの物を1秒間に1m動かす仕事量」を1馬力と定義したことで馬力という概念が生まれました。仮に馬力という概念がなかったとしても、エンジンの動作とは全く無関係なので何の支障もなくエンジンは回ります)
トルクについても、人間がエンジンの出力軸や車両の駆動軸に直接触れることはできない(やってやれないことはないが怪我をするだけ)ので、トルクを"直接"感じ取ることはできません。
しかし、クルマを走らせた時に力のようなものを感じるのは事実ですね。

クルマを動かす力の源泉はエンジンの出力ですが、実際にクルマを動かすのはタイヤが路面を蹴る力であるところの駆動力(正確には走行抵抗分を引いた余裕駆動力。駆動力はエンジントルクに変速機ギア比、終減速比、伝達効率を掛けてタイヤの動荷重半径で割ることで求めることができる)です。
そして、乗員が馬力やトルクと感じるものの正体は、余裕駆動力によって生じた加速度(G)です。
アクセルを踏めば加速度が、ブレーキを踏めば負の加速度が、ステアリングを操舵すれば遠心加速度が車両には生じます。
これらはそれぞれ、Driving force(駆動力)、Braking force(制動力)、Centrifugal force(遠心力)によるものです。
シャシダイナモメーターでパワーチェックをしている(エンジンが最大出力を発生している)車両の中にいても、馬力やトルクを感じられないのは車両が加速度運動をしないからです。
人間にはGセンサーのような機能は備わっていますが、残念ながら動力計やシャシダイのような機能は備わっていません。

馬力(Power)は仕事率、クルマを動かす力はForce(余裕駆動力)、人間が体感するのは加速度(G)と覚えましょう。
251231_power_1 (クリックで拡大表示)
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 画像出典:https://www.youtube.com/watch?v=gqK3dCpwzxE

 

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