ホンダエスのプラグカバーと部品供給に関する私の"ざれごと"あるいは"たわごと"
「あなたが人間であることを確認」云々の画面から先に進めないためログインできず、私のXアカウントはしばらく前から放置状態になっています。なので、Xの話題には全く疎いのですが、風の便りに"ホンダの部品供給に関する話題"が最近Xでバズっていると聞きました。で、こんな画像があるよと以下の画像を送って頂きました。
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雑誌記事のキャプションを読むと、ホンダは部品供給をしてくれているけれども、その部品のクオリティが低いと言っているように読めますが、私はこのキャプションは間違っていると思います。
エスシリーズのプラグカバーは、S500のプロトタイプであるスポーツ500から、S800のエンジン番号1006742までは、"HONDA"の書体がシンプルで仕上げは銀ラッカーを塗ったようなものでした。(以下の画像参照)
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〇S500の量産試作車
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〇S500の試作エンジンのカットモデル(当時欧州のモーターショーに出展されたもの AS280E-10024)
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〇S600の量産試作車
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〇S600の量産車
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〇S800 (設変前のプラグカバーが付いた車両/S800発売時の広報車)
プラグカバーの部番が変わったのはS800のエンジン番号1006743からで、おそらくこの時に書体と表面の仕上げが変更されたのだと思います。つまり、雑誌記事で当時物の高品質部品とされているプラグカバーはS800の一部のモデルにのみ使用されたもの、ということになります。(私は実車や部品は扱わないのでもし間違っていたらご指摘下さい)
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〇S800のパーツリスト (部番の機種コード506はS600を表しています、つまりS600と共通部品ということです)
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〇S800 (設変後のプラグカバーが付いた車両)
当時ホンダが補修部品として供給したプラグカバーはS500からS800まで幅広く適応するものですから、エス全モデルの共通部品としてこのタイプを補修部品に選択するのは妥当であるし適当であると個人的には考えます。が、どこぞの雑誌はこれを品質の低い部品を供給しているとミスリードした訳です。旧車に乗るような人は拘りが強いので、こういった雑誌の情報に接すれば純正の補修部品には手を出さなくなります。
90年代にはエスの外板パーツがまだホンダから供給されていて、少々高価ではあったものの購入可能でした。が、ここでまた雑誌(某旧車専門誌)が登場し、エスのオーソリティの「補修外板パーツは簡易型で作られているので寸法精度が悪く、プレスラインのエッジが立っていなくて形が悪い。」などのネガティブな発言を誌面に掲載します。結果は言わずもがな、マニアさん達は純正の補修部品を敬遠しました。
こんな例もあります。エスのシリンダーヘッドにはウォータージャケットを塞ぐ細長い蓋があり、オリジナルはアルミ鋳造の部品でしたが、90年代に補修部品として供給されたものは、鋼板をプレス成型したものでした。機能的には問題ないものの、見た目がオリジナルとは全く違いました。当然ながら、こだわりの強いマニアさん達はこういった部品には手を出しません。メーカーがせっかく新規に金型を起こして作った部品ですが、型代を回収出来るほどは売れなかったことでしょう。
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製造者の良心として製造・供給した補修部品は、結局 不良在庫となり製造からある程度年月が経過すれば品質を保証できなくなるので、最後は廃棄せざるを得ません。廃棄となった部品が再び製造されることは、当然ながらありません。
ホンダの部品供給が悪いと文句を言うのは簡単ですが、それはホンダだけに責任があってホンダだけが悪いのでしょうか。私は過去のこういった経緯を知っているので、どうしてもそうは思えないんですよね。
それと、本田宗一郎さんが亡くなった1990年代前半というのは、ホンダが業績不振で経営危機に陥っていた時代です。三菱自動車に吸収合併されるんじゃないかと噂されたのもこの頃です。ホンダのメインバンクの三菱銀行が三菱自動車とホンダの統合・合併を画策したようですが、ホンダが突っぱねたため実現はしなかったようです。斯様に会社が苦しい状態だった時に旧車の部品まで手が回るでしょうか。そんな余裕はないですよね、ふつう。
こういった時代背景も勘案して、それでもホンダを責めたいなら責めればいいと思います。どの道、"部品供給の良かったホンダ"が戻ってくることは金輪際、二度とないでしょうから。
以上は私の戯言です。テキトーに読み流して下さい。
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