T360量産初期モデルのディテール変遷
○ホンダS360やT360/S500の試作車について研究・考察している「三妻自工 Web site」はこちらです。
○Web site that researches and considers the concept model of HONDA S360 and T360/S500 is here.
※ 09/12/05 最初期型は樹脂ボンネットだった旨、追記しました。
※ 10/09/25 バックパネルのプレスラインに関する記述を一部訂正し、下掲の年表も一部修正しました。
※ 10/10/10 2分割フェンダーについて追記し、下掲の年表を一部修正しました。
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ちょっと思い立って、表題の件をまとめた年表を作ってみました。
ただし、情報の絶対量が少ないためあまり正確とは言えません。(特に設変が実施された時期については…)
それと、時間軸が等間隔になっていませんので、その点注意して年表をご覧頂ければと思います。
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まずT360の発売時期ですが、一般には'63年8月と言われていますが、下掲の登録台数の記録を見て頂くと分かるように、東京・大阪・名古屋に於いては7月から登録が始まっていたようです。
前回のエントリーに書きましたように、最初期型のT360はリアウインドー下のプレスラインが左右2分割でした。
この2分割のプレスラインは、現存している'63年型及び'64年型の車輌では確認できませんので、恐らく量産開始後かなり早い時期に1本プレスに変更になったと思われます。
設変が実施された正確な時期は不明ですが、'63年9月以前と考えられます。
(10/09/25訂正)
現存する市販型T360としては最古と思われる、'64年型 車台番号600番台の車輌のバックパネルのプレスラインが2分割であることが確認できたので、上記記述を取り消します。
詳細な資料がないので設変が実施された正確な時期は分かりませんが、生産台数の推移から察するに、少なくとも'63年中に生産された車輌はおおよそ全て2分割の仕様だったのではないかと個人的には考えています。
参考までに、'64年型の基点日は'63年9月21日だったため、製造時期が'63年の'64年型という車輌が存在しました。
車台番号が600番台の'64年型の車輌も、これに該当すると考えられます。
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また、バックパネルのプレスラインが2分割の車輌では、ボンネットのHマークの両脇に樹脂ボンネット特有の溝線が確認でき、鋼鈑製ボンネットであればあるはずの側面のパーティングラインが確認できないため、最初期型のT360には樹脂ボンネットが採用されていたと考えられます。
この最初期型の樹脂ボンネットには、ライトリムが付かないのが特徴です。
因みに、ボンネットにライトリムが付くようになったのは、パーツリストに拠ると「AK250-10338」からのようです。
となると、「AK250-30003~ AK250-10337」に使用された品番63100500020が樹脂ボンネットだったと推察されます。
モーターファン '63年12月号より引用 モーターファン '63年9月号より引用
左の画像の車輌は、Hマークの両脇に溝線が確認でき、ライトリムが付いていません。
右の画像の車輌では、ライトリムが付いていないことが確認でき、また側面にパーティングラインがないことも分かります。
何れの車輌も、キャビンのバックパネルのプレスラインは2分割です。↓
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樹脂ボンネットの最初期型は、市販された車輌でも確認できます。↓
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フライング37号('64年9月25日発行)より引用 /画像提供BOND様
車台番号や機関番号が打刻されたシリアルプレートは、量産初期から'64年型の初期モデルまでは、S500やS600初期と同じ大きいサイズのものが使用されていました。
サービスマニュアルに掲載されている写真に拠れば、シリアルプレートのデザイン自体も初期のエスと一緒だったようですが、別のデザインで大きいサイズのシリアルプレートもあったようです。
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(10/10/17 追記)
初期の大きいサイズのシリアルプレートは、どうやら3種類あったようです。
ひとつは最上段に「AK250型 '64年式」と表記されたもので、もうひとつはデザインは全く同じながら最上段に「HONDA T360」と表記されたもの。
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余談ですが、サービスマニュアルに掲載されているこの2種類のシリアルプレートには、全く同じ番号が打刻されています。
果たして、どちらが'64年型8号車のホンモノのシリアルプレートなのでしょうね。^^;
そして、残りのひとつは↓このようなデザインのものでした。
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※この画像は現物の写真を参考にして私がペイントで書いたものなので、書体などが微妙に違っています。
参考程度にご覧下さい。
ということで、T360のシリアルプレートは(輸出車を除くと)少なくとも4種類あったようです。
アオリのロックレバー部分の窪みの形状は、後方一方開きの荷箱に限ったものです。
量産初期のものは“楕円形”でしたが、その後“長方形”に変更されています。
変更された時期はよく分かりませんが、T500が“長方形”で発売されているのでT500の発売と同時に変更されたか、或いはそれ以前と思われます。
アオリの「HONDA」のプレスは、金型が一新された際、窪みの形状変更と同時に実施されたのではないかと推測しています。
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灰皿上付き・プレスライン有りのダッシュボードは、'64年型の途中まで採用されました。(当然、灰皿下付き・プレスラインなしの'64年型も存在します)
ただ、'64年というと「9月次年度制(年式打刻制度)」が廃止された年のため、'64年型の最終モデルは9月ではなく12月製造の可能があります。
また、'64年9月発売のT500にも灰皿上付き・プレスライン有りの車輌が確認できるので、設変実施時期は'64年9月~12月の間ではないかと考えているのですが、正直よく分かりません…。
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オイルレベルゲージの位置は、64年型の途中までオイルパンで、その後クランクケースに変更になっています。
正確な設変実施時期は不明。
余談ですが、私が以前持っていたスペアエンジン(AK250E-401503)はオイルパンからレベルゲージが生えていました。参考まで。。。
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オイルバスエアクリーナーが廃されて濾紙式のエアクリーナーのみになったのは、ダッシュボードの設変より後で間違いありません。
何故かと言うと、灰皿下付き・プレスラインなしでオイルバス仕様(運転席側リアピラーにスリットなし)の車輌が現存しているからです。
そんな訳で、上の年表でも設変時期をダッシュボードのそれよりも後にずらしています。
'65年型は濾紙式のみになっているらしいので、設変実施時期は'64年9月~12月の間ではないかと考えていますが、これもダッシュボードと同様、'64年型が何月まで作られたかがわからないので、設変時期を確定するのは今のところ困難です。
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アシスタントバー(グローブボックスの上にあるグリップ)は、当初、足の部分が長くなっていましたが、途中から短いものに変更になっています。
足の長いタイプのアシスタントバーはT500でも確認できるので、設変実施時期をT500の発売後にしましたが、詳細は不明です。
ボンネットのHマークが白く塗られるようになった時期は、こちらのエントリーで解説しているように '64年12月10日です。
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給油口(GAS/OIL)上のステッカーですが、これはHマークがボディと同色の車輌では確認できず、またHマークが白い車輌では確認できることから、Hマークが白く塗られるようになった頃から貼り付けられるようになったのではないかと考えています。
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鏡面の裏に突起のあるタイプのフェンダーミラーは、給油口の上にステッカーのあるタイプの車輌が使われているカタログでも確認できるので、ステッカーの貼り付け実施時期よりも後にしました。
突起のないタイプに変更された正確な時期は、今のところ判りません。
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ツートンカラーのシートは、極初期のモデルに採用されていたようです。
分割タイプのフロントフェンダーはT500にも採用されていますから、'64年型では間違いなくこのタイプだったと思われます。
設変実施時期は不明です。
(10/10/10:追記)
'65年初頭に届出された車輌にも、この2分割フェンダーが採用されていたことを教えて頂いたので、年表を修正しました。
もしかしたら、'65年4月に実施された狭山製作所への生産移管に合わせて、設変が行なわれたのかもしれません。
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他にも、ドアのインナーハンドルや、ライトリム、ブレーキ/クラッチペダル、エンジンマウント、ダイナモ等々に変更があったようですが、元々市販モデルは私の守備範囲外なのでこのくらいで止めておきます。
冒頭に書きましたように、あまり確度の高い情報ではないですしね。
ということで、このエントリーでは何を言いたいのかと申しますと、とかく“初期型”と一括りされがちなT360の量産初期モデルにも、以上のようによく調べると色々な仕様があったみたいですよ、ということです。
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