Low-Roof のHonda S600Coupe
○ホンダS360やT360/S500の試作車について研究・考察している「三妻自工 Web site」はこちらです。
○Web site that researches and considers the concept model of HONDA S360 and T360/S500 is here.
先日、某ネットオークションでダットサン クーペ1500の記事が掲載されているモーターファン誌(以下、MF誌と表記)を落札したのですが、届いたMF誌を眺めていたらS600クーペの試作車と思われる車輌の写真を発見しました。
その写真がなかなか興味深いものだったので、ここでご紹介しようと思います。
(クリックで拡大表示)
上の画像がMF誌に掲載されていたS600クーペの写真です。
下の白のLHD車は比較用に添付しました。
画像に書き込んだ“a~i”は、私が気が付いた市販モデルとの相違点です。
下のLHD車(市販モデル)と見比べて頂けば何処がどう違うかは一目瞭然かと思いますが、念のため a から順に説明しますと…
a.ルームミラーが天井に取り付けられている。
b.レインドリップとメッキモールがサイドウインドウの上辺部分で終わっている。
c.リアハッチのヒンジがボディと同色で肉薄のものになっている。(ヒンジ部分の拡大画像を下に添付します)
(クリックで拡大表示)
d.テールランプの横に「S600 Coupe」のエンブレムがない。
e.リアハッチに「Honda S600」のエンブレムがない。
f.テールパイプの終端が垂直に切り落とされている。
g.フューエルフィラーキャップの背が低い。
h.リアクウォーターウインドウの後下の角が鋭角ではなくアールになっている。
i.ルーフが全体的に薄い。
…と、こんなところです。
もし他にも相違点がありましたら、コメント欄にてお知らせ戴けると有難いです。。。
で、MF誌のクーペはこのような市販モデルとの相違点があるので試作車ではないかと推測した次第です。
これらの相違点の中で、特に興味深いのがルーフの厚みです。
下のLHD車と比較すれば、MF誌のクーペのルーフが如何に薄いかがお分かり頂けるのではないかと思います。
LHD車の方は、何だかずいぶんモッコリとしていますね。
どちらがスタイリッシュかと訊かれれば、殆どの方がMF誌のクーペと答えるのではないでしょうか。
ここでひとつ疑問に思うのは、何故この試作車の状態から(格好悪く…)ルーフを膨らませてしまったかです。
エスにお詳しい方なら、「MF誌のクーペが、3シーターに変更される前の2シーター版クーペなのでは?」と推測されるのではないかと思いますが、初期の2シーター版クーペは以前のエントリーに書きましたように、市販型クーペとは違うスタイリングでしたからその可能性はありません。
(承諾を得ていないのであまり詳しいことは書けませんが、初期の2シータークーペと3シーターとしてデザインし直されたクーペのスタイリングが別物であったことは、当時エスロククーペの開発に関わられた方から教えて頂きましたので、情報の信憑性・確度はかなり高いと思います)
そんな訳で、3シーターとしてデザインし直されたクーペには、ルーフが低いタイプと高いタイプがあったと考えるのが妥当なのではないでしょうか。
それが証拠にS600Coupeのスタイリングを手掛けられた河村雅夫氏も、ノスヒロ誌Vol,31のインタビューで自筆のイラスト付きで3シーター版クーペのルーフを40mm高くしたことを説明されています。↓
(クリックで拡大表示)
MF誌のクーペのルーフをよく見ると、後席部分の不自然な膨らみがなくルーフラインはなだらかに弧を描いてテールエンドまで伸びていますよね。
やはり、MF誌のクーペは後のものとは違う特別な1台なのではないでしょうか。
ということで、エスロククーペのエクステリアは…
初期2シーター → 3シーター・ロウルーフ → 3シーター・ハイルーフ → 2シーター・ハイルーフ(量産モデル)
…という変遷を辿ったのではないか、と推測してみました。
初期の2シーターと3シーター・ロウルーフが混同されているために、初期の2シーターの方がすっかり忘れ去られた存在になってしまっているんじゃないでしょうかね。
違うかな…?^^;
3シーター・ロウルーフ・クーペの写真が他にもあるので上げておきますね。
(クリックで拡大表示/この画像はBOND様よりご提供頂きました)
これは、販売店用のカタログに掲載された写真です。
車体色が上のクーペとは違いますが、ルームミラーやメッキモール、クウォーターウインドウ、燃料フィラーキャップなどの特徴が一致します。
↑この写真はステアリングの位置を修整されて、海外版のカタログにも使用されています。
(クリックで拡大表示)
これもクーペの試作車だと思うのですが…如何でしょう?
(クリックで拡大表示)
ルームミラーが天井に付いており、サイドウインドウのメッキモールが上辺の部分しかありません。
他の部分は市販モデルに準じているようです。
同じ写真がカタログに使われていたので下に添付してみました。
こちらはさらに市販モデルに近づいています。
(クリックで拡大表示)
ルームミラーはダッシュボード上に移動していますね。
もしかしたら、サイドウインドウ上のレインドリップとメッキモールが短いタイプは、市販モデルにも存在したのでしょうか?
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コメント
はじめまして。
私は、S800クーペを所有しております。
現在クーペのボディをリフレッシュしている所で。
今回は、ボディの様々な形状を出来る範囲で復元してやりたいと考えております。
特にボディ鉄板の継ぎ目の位置や形状などを。実車を見たり、カタログ等の写真にて比較しておりました。
その際にこちらのHPを覗かせて頂き、その研究熱心さに驚かされました。
ところで今回メールをさせて頂きましたのは、S600クーペカタログを見ておりました所。
(クーペのカタログの見開き?で、右向きブルメタ・クーペのフェンダーモールから上が写っている写真)
Aピラーの付け根部分に、鉄板の継ぎ目が見えるのです。
この継ぎ目は市販車には、S6・S8 共に確認することができませんでした。
(イベントにおいて実車での確認ですので、新車当時とは状況が異なると思われます)
市販車で実際には、存在すべき継ぎ目なのでしょうか?
ご存知でしたら教えて頂ければ幸いです。
宜しくお願いいたします。
福岡市
大浦 慎平
投稿: shin | 2010年3月 5日 (金) 午後 09時49分
>shinさん
初めまして、コメント有難うございます。
お尋ねの件ですが、↓こちらのページにアップされている、塗装を総剥離したクーペのボディを見ると、Aピラーの上下にハンダを盛ったような痕跡が確認できます。
http://www.honda-tech.com/showthread.php?t=2399761&page=4
しかしながら、これが本当にハンダなのか、またこの部分がパネルの継ぎ目なのか、このようにハンダと思しきものを盛って継ぎ目を消した状態が本来の姿なのかは、残念ながら私には知識がないので分かりかねます…。
お役に立てず、申し訳ありません。。。
この件について、もしお詳しい方がいらっしゃいましたら、是非書き込みをお願いします。m(_ _)m
因みに、カタログのブルメタ・クーペは、上のエントリーにも書いてありますように、試作車の可能性があるので、それ故 仕様が市販車とは若干違うのだと思います。
余談ですが、このエントリーの下から3番目と4番目の画像のクーペは、ノーズのパネルの分割の仕方が、S500やS600初期型と同じになっています。
どうやらクーペにも“39モデル”があったようです。^^;
投稿: mizma_g@管理人 | 2010年3月 6日 (土) 午前 11時32分
こんにちは、先日はAピラー部分の鉄板の継ぎ目に対するお話ありがとうございました。
ところで今朝オークションを見ておりました所、オークション(http://page6.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/f90748696)の資料画像に偶然にもエスロクのAピラー部分が写っておりました。
その画像ですが、Aピラー部分には試作車と同様の「板金継ぎ目」が存在しております。
さらに、レインドリップですが短いタイプの様です。
エスロク初期レインドリップ短タイプは、Aピラー部板金継ぎ目が残っていたのでしょうかね~。
画像の添付の仕方が分からないのでオークションのアドレスを添付いたしました。
取り急ぎコメントさせていただきます。
それでは~。
投稿: shin | 2010年9月10日 (金) 午前 08時37分
>shinさん
コメントありがとうございます。
ご紹介のオークションのページ、早速見てみました。
車輌はレインドリップが短い最初期型で、Aピラーの継ぎ目は確かに消されずに残っていますね。
こういう車輌があるということは、仰るようにおそらくS6クーペは量産初期まで継ぎ目を埋めなかったのだと思います。
これは、ちょっとした発見ですね!
情報をお寄せ下さり、ありがとうございました。m(_ _)m
投稿: mizma_g@管理人 | 2010年9月10日 (金) 午後 07時59分