日の目をみなかったホンダスポーツ
○ホンダS360やT360/S500の試作車について研究・考察している「三妻自工 Web site」はこちらです。
○Web site that researches and considers the concept model of HONDA S360 and T360/S500 is here.
拙ブログおよび拙サイトでは、ホンダが四輪の開発を始めてからS500を市販するまでの間に製作された試作車のみを扱っているのですが、今回はその守備範囲をちと外れてS600Coupe のことを書こうと思います。
S600Coupeといえば、当初2シーターで開発が始まったものが途中から前席2+後席1の3シーターにパッケージングが変更されたため、後席のヘッドクリアランスを確保すべくルーフ後部を持ち上げたデザインに変更。
しかしながら、3シーターとしては認可が下りず、結局3シーターのスタイルのまま2シーターとして市販された、という経緯があることは皆さんご存知かと思います。
このような経緯があったため、S600Coupeのスタイリングは下掲の画像の如く、ルーフラインの盛り上がりがBピラーの後部まで続いていて、例えばトヨタ2000GTやフェアレディZ のような同じクーペ形式の車輌と比較すると、ややスマートさに欠け頭が重そうな印象を受ける造形になってしまっています。
(カタログより引用)
まあ個人的には、これはこれで好きなカタチではあるのですが、でもやはり、もうちょっとルーフ後部が低くなだらかになっていればなぁと思ってしまいますね。
そんなS600Coupeが開発されることになったのは、スタイリングを手掛けられた河村雅夫さんの証言によると、当時 造形室(正確には本田技術研究所の技術部車体設計課第4係)に所属されていた河村雅夫さん、森 泰助さん、木村譲三郎さんの3名が、本田社長を喜ばせるために社長に内緒でクーペボディのエスを造ったことが発端だったそうです。
この初期のクーペは流麗な2シーターで、河村さん曰く「オリジナルスケッチのルーフラインは、後ろの方がシャープで低くなっていたんです。こちらの方がはるかにスタイリッシュでしたね。これが発売されていれば、かなりセンセーションを巻きおこしたでしょうね。」(Nostalgic Hero Vol,31より引用)とのことで、河村さんは初期のクーペの方を気に入っておられることが伺えます。
さて、今回なぜ守備範囲外のS600Coupeを取り上げたかというと、造形室のお三方が秘密裏に製作された“初期の2シーター版クーペ”を撮影した写真を、つい最近 目にする光栄に与かったからです。
たった1台こっきりしか造られなかった試作車の写真が、幸いなことに残っていたんですねー。
2シーター版クーペを見た印象ですが、市販型よりもスマートで流麗。
市販型がちょいぽちゃの美人さんだとしたら、初期の2シーター版クーペは均整のとれたスマートボディの美人さんという感じです。
どちらが良いかは人それぞれでしょうが、私の好みは初期の2シーター版クーペですね。(リアル女性はぽっちゃりが好きですが…^^;)
写真を見て一番に思ったのが、3シーターが認可されなかったのなら、この初期の2シーターのカタチで市販してくれたら良かったのに…でした。
まあ、それは諸般の事情で無理だったようですが…。
それにつけても、このスタイリッシュでGood Lookingなクーペが、日の目を見ることなく歴史に埋没してしまったことは、非常に勿体ないですし残念でならないです。
でも考えてみると、元々が本田社長を喜ばせるために造られたクルマですから、その役目を終えた時点で消え去ることが、このクルマにとって一番相応しい引き際だったのかもしれませんね。
美人薄命…きっとこれが世の定めなのでしょう。
今回は、歴史に埋もれ忘れ去られたホンダの名車を目にする機会に恵まれて、とてもラッキーでした。
もしかしたらホンダにはまだ他にも、人知れず消え去った隠れた名車があるのかもしれませんね。
そういえば、エス用に700ccのエンジンが試作されていたようですが、S700というクルマは作られなかったのでしょうか?
ホンダスポーツ量産開始後の試作車についても、調べてみるといろいろと面白い発見がありそうですね。
続々と量産されるS600Coupe
(「狭山製作所ご案内」より引用)
最後に、エスロクつながりで動画をひとつ紹介しておきます。
『Jay Leno's Garage 1964 Honda SM600 』
http://www.jaylenosgarage.com/video/video_player.shtml?vid=204774
これはアメリカNBCのTVプログラムなのでしょうか。
よく分かりませんが、エスロクのレストアの模様とインプレッションを収めた番組です。
エスマニアさん必見!(但し全編英語で字幕なしです ^^;)
JNCのブログ(↓)によると、アメリカのエスマニア“ブライアン・ベーカー”さんがレストアを担当されたようです。
http://japanesenostalgiccar.com/blog/2008/01/15/wont-you-adopt-a-honda-too/
ブライアン・ベーカーさんといえば、T500をお持ちなことで私的には有名なんですが、これはもしかしたら私だけの認識ですかね。^^;
彼のT500をご覧になりたい方は、上のブログに書かれている彼の名前をクリックしてみて下さい。
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コメント
ひょっとして、「SUPER CG」に掲載されていた低いルーフのクーペの事でしょうか?
投稿: 職人 | 2008年2月 2日 (土) 午後 08時33分
>職人さん
コメントありがとうございます。
今回このエントリーで取り上げた試作クーペに関しては、情報提供者様に承諾を得ていないので、エントリーに書いた以上のことは書けないんです。
ですから、お尋ねの件についてもノーコメントとしか…。(ゴメンナサイ
ただ、SuperCGの試作クーペは、たしか生産型クーペをベースに作られたと書いてあった気がしますが…。
投稿: mizma_g@管理人 | 2008年2月 2日 (土) 午後 11時54分