狭山製作所におけるAK250・AK280の塗装工程
去年の3月15日に投稿したエントリーで、埼玉製作所大和工場におけるAKトラックの塗装工程を説明しました。
今回は、AKのもうひとつの生産工場だった、狭山製作所での同車の塗装工程を説明したいと思います。
といっても、あまり詳しいことは分からないのですけどね・・・。(^^;ゞ
さて、狭山でのAKの塗装工程ですが、以下のようなものでした。
・溶接ボディ吊り込み
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・スプレー式リン酸亜鉛前処理
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・三槽式電着塗装装置にて浸漬電着塗装 (下塗り工程)
※第一槽:神東塗料 ワンコートブルー、第二槽:AK280用グリーン、第三槽:石産ペイント ワンコートブルー
※AK250は第一槽または第三槽で、AK280は第二槽で浸漬電着塗装が行なわれた
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・電着乾燥炉にて乾燥
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・メラミンアルキッド樹脂系塗料を吹き付け塗装(膜厚25ミクロン)
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・アンダーコート塗布
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・乾燥炉にて焼き付け乾燥
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・PVCシーラーにてシーリング
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・塗装外観検査
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・組み立てラインへ払い出し
狭山の塗装工程の特長は、何といっても下塗り塗料の色でしょう。狭山では上塗り塗料と同じ色の下塗り塗料が使われました。(ワンコートブルー = メイブルーです)
その理由は・・・説明すると長くなるので省略。まあ、色々と大人の事情がありまして、下塗りと上塗りの色が同じになりました。
AKやNシリーズではコストの関係で中塗りの工程が省略されましたが、下塗りはちゃんとしていたというのが事実です。
狭山製AKの塗装をサンディングすると、上塗りの塗膜の下から微妙に色味の違った下塗りの塗膜が現れるはずです。
機会があったらよく観察してみて下さい。
また、以上のような理由から、狭山製T360のボディカラーはメイブルーのみとなっております。同様に、T500はモスグリーンのみです。
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コメント
本田の塗装は他社と比べるとイマイチ塗膜が弱い気がしますが、下塗りから丁寧にはしていたのですね。
T360のブルーは好きな色で、街中で見かけると良く目立っていました。
投稿: スポーツ800 | 2021年4月12日 (月) 午前 08時51分
>スポーツ800さん
コメントありがとうございます。
ホンダが四輪に参入したばかりの頃は、軽自動車や商用車などのあまりコストを掛けられないモデルでは中塗りを省略していたため、塗装が薄っぺらく弱かったそうです。
それと、使用する塗料を品質よりも入札価格の安さで選んでいたそうで、結果、二輪用の塗料を作っていたメーカーの製品を四輪に使うことが多く、これもホンダの塗装の評判を落とす原因になったとのことです。
T360のブルーは明るいよい色ですよね。ボンネットのHマークの白が、絶妙な差し色になっていると思います。
投稿: mizma_z | 2021年4月13日 (火) 午前 05時37分