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2013年8月22日 (木)

いつやるか? 今でしょう!

ここ数日考えていることを、備忘のために記しておきます。

話は初代フェアレディZ(以下、S30Zと表記)のデザイン開発に関することです。
私が耳にしたところでは、田村久米雄氏が拙ブログに寄稿して下さった内容に関して、事実であることが証明されていない、或いは裏が取れていないので信用できないというご意見があるようです。
なるほど、そうですか。
では、そういうご意見をお持ちの方達に伺いますが、松尾良彦氏がこれまでメディアに証言してきたことや、メディアを利用して松尾氏自身が発信してきた情報は、きちんと裏が取られて間違いなく事実であることが確認されているでしょうか?
されていませんよね。
私が知る範囲では、殆ど全てが松尾氏の証言を裏取りもせずにただ垂れ流すだけの記事であったり番組でした。

松尾氏の証言は、裏取りもせずに事実だと決めつけ、田村氏の証言は事実であることが証明されていないから信じない。
これは、典型的なダブルスタンダードですよね。
「人は自分が信じたいことしか信じない」とよく言われますが、まさにその典型的な例といえるでしょう。
こんなのはアンフェア、不公平としかいいようがありません。
あるいはご都合主義とも言えるでしょう。

少し話が横道に逸れますが、我が国の放送法第四条には以下のような条文があります。

第四条  放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
一  公安及び善良な風俗を害しないこと。
二  政治的に公平であること。
三  報道は事実をまげないですること。
四  意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
(出典:http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO132.html

これは放送事業者を対象にした法律ですが、マスメディアの一端を担う新聞や雑誌などの紙媒体も、編集に当たって当然遵守すべき事柄でしょう。
で、注目して頂きたいのが第四号の条文です。
“意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること”というのはつまり、複数の意見がある場合は全てを取り上げた上で、様々な角度から検証し論点を明らかにしなさいということです。
放送の場合は、必ずこうしなさいよということが法律によって決まっているのです。
これは逆に言えば、“特定の意見だけを取り上げるのはご法度だ”と解釈できるでしょう。

ところが、私の知る範囲での話ですがある旧車専門誌の二誌が、田村氏の意見は取り上げないことを明言しています。
今の段階では、その二誌の誌名は明かさないでおきますが、悲しいかなこれが現実です。
理由は、どうやら松尾氏と懇意にしている関係で、松尾氏の立場が悪くなるような記事は掲載できない、ということのようです。
メディアが守るべきルールよりも、お友達関係の方が大事だとは、何ともお粗末な話ですね。
そんなことはともかく、意見が対立している問題については両論を併記する、これが報道の大原則といえるでしょう。
意見を恣意的に取捨選択することは、結果的に事実を枉げることになりますから、絶対にするべきではありません。
もし松尾氏の意見を取り上げる場合は、田村氏の意見も取り上げるべきですし、田村氏の意見を取り上げないのならば、事実であることが確認されていない松尾氏の意見も、同様に取り上げるべきではありません。
それが、公平な報道というものです。
私のこの主張は、間違っていますかね。

再び話が横道に逸れますが、トヨタ2000GTのバイブル本の著者として有名な吉川信氏は、以前 以下のようなことを私に語られました。

・松尾氏とも永い付き合いですね。今日もZの開発の話を色々聞きましたよ。
・当時から追浜には私自身出入りをしておりました。
・この方々(管理人注:S30Zのデザイン開発に関わったデザイナーやモデラーの方達)は存知あげておりますよ、そしてこの方々がお持ちでない資料やデザインスケッチ、更に当時のマル秘資料も段ボール箱に5箱も持っております。
・S30Zの本を出すとすればトヨタ2000GTの本の3倍くらいのボリュームになり既に原稿は仕上げています。
(以上、すべて原文ママ)

ご覧のように、吉川氏は既にS30Zに関する本の原稿を書き上げていて、その分量はなんとトヨタ2000GT本の3倍にもなるそうです。
しかも、吉川氏は当時から追浜に出入りしていてマル秘資料も沢山持っているとのこと。
吉川氏は、S30Zの本を出すつもりはないと言っていましたが、もし出版されれば、トヨタ2000GT本での実績から考えて、きっとS30Z研究の第一人者と言われることになるでしょう。
そんな吉川氏の主張は“松尾氏こそS30Zの真のデザイナー”で“田村氏は偽物”というものです。
しかし、私が吉川氏とやり取りする中で、吉川氏が田村氏の主張に対して論理的に反駁したことは只の一度もなく、松尾氏が真のデザイナーであることを何がしかの証拠を示して証明することもありませんでした。
もっと言えば、S30Zのデザイン開発に関する具体的な話はひとつも出てこず、対人論証に終始していました。
対人論証というのは、「主張の内容ではなく、相手の人格を攻撃することにより、主張・反論の代わりにしようとする詭弁」です。
詭弁にも色々種類がありますが、対人論証はまあ、一番下品でレベルの低いものと言えるでしょうね。(苦笑
そんな訳で、S30Z研究の大家とも言える人物でさえも、具体的な証拠を挙げて松尾氏の意見の正当性を立証することはできなかったのです。
田村氏の意見に対して論理的に反駁して、田村氏を論破することはできなかったのです。
これは紛うことなき事実です。
私と吉川氏とのやり取りをご覧なった方は、恐らく沢山いますよね。(あの時の拙ブログへのアクセス数は相当なのもでしたし、吉川氏も自身のブログのアクセス数が増えたと言ってましたから)
上掲の、吉川氏の証言(元はブログのコメント)は、既に吉川氏によって削除されていますが、私は消される前に当該エントリーを丸ごと保存しておいたので、いつでも何度でも吉川氏の証言を再現することができます。
私がここに書いた事が事実であることを証明するのは、容易いことです。

ということで、松尾氏擁護派の中で恐らく一番の実力者であり最も沢山の情報を持っているであろう吉川氏をもってしてもこのような按配でした。
他に誰が、松尾氏の主張が絶対無謬の真実であることを証明できるでしょうか。
これまで誰も、その主張の正当性を証明できなかった松尾氏の意見を、メディアが“事実”として報道してきたことの是非を、我々旧車ファンは大いに議論すべきではないでしょうか。

ここで誤解して欲しくないのは、これは個人の功績の奪い合いという小さな話ではないとうことです。
田村氏も松尾氏も、S30Zのデザイン開発の現場に立ち会った当事者です。
その両名の意見が相違しているのですから、何が真実なのかをきちんと調査するべきだ、というのが私の考えであり熱望していることです。
誰の功績であるか、誰が虚言を述べて世間を欺いたか、ということを明らかにすることは、当ブログの本旨ではありません。
それらは、真実・真相が詳らかになればおのずと判明することですから、敢えて目を向ける必要はないのです。
そして、先に述べたように、S30Zのデザイン開発をメディアが取り上げる場合は、必ず田村氏と松尾氏の両論を併記して論点を明らかにするべきで、一方の意見を取り上げないのならばもう一方の意見も取り上げないようにして常に公平公正を期して欲しい、というのが私のもう一つの望みです。
繰り返しになりますが、意見の取捨選択を恣意的に行なえば、事実を枉げることになり良いことは何もありません。
誰かの都合で国産旧車史を捻じ曲げるようなことは、もうして欲しくないのです。
これは、全ての旧車ファンが望むことでしょう。

私が以前、YouTubeにS30Zに関する動画を投稿した際、Zフリークが集う海外のフォーラムにその動画を主題にしたトピックが立ちました。
そのトピックでも、やはり松尾氏擁護派が多かったのですけれど、そんな中でS30Zのヒストリーにかなり詳しいと思しき方がこんなようなことを言っていました。
「優秀な子供には、沢山の親が現れる」
松尾氏擁護派の急先鋒のような人でしたから、松尾氏が本物の親で、田村氏は功名心に駆られて現れたニセ親だと言いたかったようです。
でも、残念ながら松尾氏も、所詮は産みの親を自称しているだけですよね、現時点では。
とすれば、今必要なのはきちんとDNA鑑定をすることでしょう。
少なくとも田村氏はDNA鑑定が為されることを望んでいますし、松尾氏にしても長年 ご自身が主張してきたことが事実であることを証明されるよい機会ですから、これを拒むことはないはずです。
S30Zの愛好家の方達も、(自分が信じたいことしか信じないご都合主義者でなければ)DNA鑑定がなされて真相が明らかになることを、喜んで受け入れてくれるはずです。
幸い、当時S30Zのデザイン開発に関わった当事者の方達の多くはご存命なので、鑑定士には事欠きません。
誰の不利益になる訳でもないのですから、これをやらない手はないですよね。

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