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2012年11月10日 (土)

【再考】ホンダ スポーツ500/S500の生産台数

(15/04/05) 生産台数の一覧表を改訂版に差し替え
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S500の生産台数に関するエントリーは過去に何度か書いていますが、懲りもせず再挑戦してみます。

さて、↓これが今回、統計資料などを基にまとめたスポーツ500/S500の月別の生産台数を表にしたものです。
150405_s500_seisandaisuu (クリックで拡大表示)
年月欄の右隣にある「ホンダ 小型自動車 生産台数」は、古いモーターファン誌等に掲載されている、当時の生産台数に関する統計資料を、凄腕レストアラーのワンココさんがまとめて下さったものです。(安くない当時物の雑誌を買い集めて、統計をまとめて下さったワンココさんに感謝感謝です。)
尚、この数字の出典は日本自動車工業会(以下、自工会と表記)ですので、信頼性は抜群と言えると思います。
121110_aug_production (クリックで拡大表示)

この自工会の統計資料は、各メーカーの同一カテゴリーの機種を合計したもので、残念ながら機種ごとの生産台数は分かりません。
しかしながら、'63~'64年にホンダが生産した小型四輪乗用車はS500とS600の2機種だけなので、S600の各月の生産台数が分かれば、S500の各月の生産台数もおのずと判明します。

では、"S600の各月の生産台数はどうやって調べるのか"ということになりますが、これはラッキーなことに、今は無きホンダの公式サイト「ホンダ バーチャルピット」で公開されていたPDF版の「S500 S600 S600C パーツリスト」の中に、手書きで書き込まれていました。
121110_s600monthly_production (クリックで拡大表示)
書き込まれていたのは、ご覧のように生産台数ではなくて各月の生産車の車台番号(始番号と終番号)なのですが、始番号と終番号が分かれば生産台数は分かりますよね。
自工会の統計資料から、このS600の各月の生産台数を引けば、S500の各月の生産台数が判明するという寸法です。

パーツリストの手書きの記述ではS600の生産は'64年2月から始まっていますが(参考までに、ホンダが運輸省に届け出たS600の車台番号打刻開始日は'64年1月22日)、下掲の和光工場年譜に拠るとS600用エンジンの生産開始時期は'64年4月とのことなので、2月~4月に生産された車輌は量産試作車と考えるのが妥当かと思います。
1964年のニュルブルクリンク500kmレースのために彼の地に送られたS600の内の1台が10081号車なので、もしかしたらこの時期に製造された最も初期のS600が、所謂S5~600(エスごろっぴゃく))と呼ばれるモデルなのかもしれません
この量産試作車104台分のエンジンは、もしかしたらS500のものに手を入れて流用したのかもしれないですね。
<和光工場年譜>
12110_wakoh_nenpu (クリックで拡大表示)

<鈴鹿サーキットで試乗車として使用された最初期型S600(通称 エスごろっぴゃく)> 
121110_honda_s5600 (クリックで拡大表示)

そんな訳で、以前のエントリーでS600の量産立ち上げは'64年4月ではないかと推測しましたが、量産立ち上げが'64年2月、市販型車輌の生産開始が"'64年5月"というのがどうやら正解のようです。

それとパーツリストには、ご覧のように1で始まる5桁の車台番号(64-1****)だけが記載されています。
S500/S600の車台番号は、年式打刻制度が廃止になった'64年7月以降(パーツリストの記述に拠れば8月の初旬頃)に1で始まる7桁の車台番号に変更されたので、8月以降の各月の生産台数は分かりません。
でも、7月までの生産台数が分かればめっけもんですね。(^^;

自工会の資料には、浜松製作所でスポーツ500の生産が始まった'63年6月と翌7月の生産台数は、何故か記載されていませんでした。
記載のある'63年8月から'64年7月までのスポーツ500/S500の各月の生産台数を合計すると、1,282台になります。これに、研究所で製作された、スポーツ360の半完成車を試作流用して作られた5台を加えると1,287台

Old-time誌95号に、浜松製作所の生産実績台帳の数字が掲載されているので、参考までにそれも表に記載してみました。
こちらの生産記録は7月から始まっていますが、Old-time誌に掲載されている'64年1月までの生産台数を合計すると、自工会の統計資料と2台しか違いません。(自工会:248台 OT誌:250台)
何れにしても、スポーツ500/S500は、'63年7月頃から'64年7月までに1,300台近くが生産されたと推測できそうです。
現時点では不詳となっている8月以降の生産台数が判明すれば、総生産台数はさらに増えるでしょう

表の右端には、S500の車台番号の変遷も書き込んでみました。
パーツリストで確認できる3で始まる5桁の車台番号は、S500の車台番号打刻開始日である'64年9月19日以前に使われたと推測してみました。
この推測を当てはめると、30036号車は9月に生産された事になり、何処にも齟齬が生じません。
1で始まる5桁の車台番号は、終番号が「10630」というのが定説ですが、アメリカのホンダ史研究家 ドン・ロートンさんは「10778」と主張されています。
私はパーツリストで「11631」という車台番号を見つけてしまいました…。
12110_s500_6411631 (クリックで拡大表示)
他に「11364」、「10791」なんていう車台番号もあります。
12110_s500_6411364 12110_s500_6410791
                                                 (クリックで拡大表示)
定説の「10630」やロートンさんが主張されている「10778」が5桁車番の終番号ならば、4で始まる6桁の車台番号が始まったと言われている'64年4月に最終号車が生産されたことになり、タイミング的にはピッタリ合うのですが、終番号が「11631」以降となるとこのタイミングが合わなくなってしまいます。
そうなると、またひとつ謎が増えてしまいますね…。orz 

最後に蛇足ですが、S600の1で始まる5桁の車台番号(64-1****)の終番号は「11904」というのが定説ですが、上掲のパーツリストの手書きの記述では「11733」までとなっていますし、パーツリストの本文中には「12241」が確認できます。
12110_s600_6412241 (クリックで拡大表示)
ホンダスポーツの車台番号は、調べれば調べるほどあちこちに齟齬が生じてしまって、正直訳が分からなくなりますね。

ともあれ、現時点で判明した暫定的なホンダ スポーツ500/S500の生産台数は上掲の表の通りです。
"不詳"となっている8月以降のS500とS600の生産台数について、何か情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ご教示頂けると大変有り難いです。
是非、よろしくお願い致します。



     

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コメント

久々のホンダ記事ですね!(^^)””
不明な部分が早く判明すればよいですね。
頑張ってください。(^~^)””

投稿: ワンココ | 2012年11月10日 (土) 午後 11時37分

>ワンココさん
コメントありがとうございます!
仰るように、久々のホンダに関するエントリーなのですが、実はこれはアメリカのホンダ史研究家さんからの問い合わせに返答するために書いたものなんです。
このエントリーを使って、これから説明のメールを書かないといけません。。。
でも、私は英語は全く不得手なので、説明文を書くのが大変で大変で…。orz
不明な部分、是非解明したいところですが、これは新たな資料を発掘できるかどうかに掛かっていると思います。
もしワンココさんが良い資料を手に入れられましたら、またご協力頂きたくよろしくお願いします!


投稿: mizma_g@管理人 | 2012年11月11日 (日) 午後 06時09分

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