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2008年1月18日 (金)

ホンダスポーツについて、最近分かったことと分からなくなったこと (前編)

○ホンダS360やT360/S500の試作車について研究・考察している「三妻自工 Web site」はこちらです。
○Web site that researches and considers the concept model of HONDA S360 and T360/S500 is
here.

最近入手した資料から判明したことと、ちょっと分らなくなってしまっことを書こうと思います。
まずは、Sports360について分ったことから。

ホンダ会に出展されたSports360(TAS260/FRPボディ車)はSUタイプのキャブレターを装着していた!

この情報のソースは、モーターサイクリスト1962年10月号。
当該ソースには、大変貴重なSports360(TAS260)のエンジンベイの写真が掲載されています。
080118_01196210_tas260
モーターサイクリスト1962年10月号より引用

この写真を見れば、SUタイプのキャブレターが装着されていたことが一目で分りますね。
ホンダ会には2台のSports360が出展されましたが、写真の個体は車体色が赤のものと思われます。
そう推測する根拠は、もう1台の車体色がシルバー(または白)の個体は下掲の画像のようにステージ上に展示されていて、尚且つ、車体の背後にあったパネルが大きく車体側に傾いていたため、車体の右側に人が入り込む余地がなく、上掲の画像のように車体右側からエンジンベイを撮影するのは困難であったと考えられるからです。
080118_021962_08_tas260
モーターマガジン1962年8月号より引用

尚、シルバーの個体がどのようなキャブレターを装着していたかは、現時点では不明です。

第9回全日本自動車ショーに出展されたシルバーのSports360(以下、ショー出展車と表記)には、SUタイプのキャブレターが装着されていた!

これまでショー出展車のキャブレターは、三国製コンパウンド負圧型と推測していましたが、下掲の画像からどうやらそれは間違いだったことに気が付きました。
080118_03s360silver5mt
「別冊CG ホンダS2000」より引用

ショー出展車にSUタイプのキャブレターが装着されていたと推測する根拠は、上掲の画像に書き込んだ「リターンスプリング」「チョークワイヤー」「スロットルケーブル」の3点です。
ショー出展車にはキャブレターとヘッドカバーとの間に長いスプリングが取り付けられており、また、チョークワイヤーとスロットルケーブルは2番と3番のキャブレターの間に向かって伸びていました。
続いてこちらの画像をご覧下さい。
080118_04cg_s2000_sports500
「別冊CG ホンダS2000」より引用

これはショーに出展されたSports500のエンジンベイを撮影したものです。
この車輌には、ご覧のようにSUタイプのキャブレターが装着されていて、チョークワイヤーとスロットルケーブルは2番と3番のキャブレターの間に向かって伸びています。
また、キャブレターとヘッドカバーの間にスプリングも確認できます。

それでは、三国製コンパウンド負圧型キャブレター装着車はどうなっていたかというと、キャブレターとヘッドカバーを繋ぐスプリングはなく、チョークワイヤーは4番のキャブレターに接続されていました。
080118_059s5_mm62_12
モーターマガジン1962年12月号より引用

SUタイプのキャブレターは、ショーに出展されたカットエンジンにも装着されていました。
080118_06_63303
モーターファン1963年3月臨時増刊号より引用

ご覧のように、スプリングが確認できますね。

以上のように、ショー出展車はSUタイプのキャブレターを装着していたSports500やカットエンジンと同じ特徴を有しているため、SUタイプのキャブレターが装着されていたのではないかと推測した次第です。
尚、SUタイプのキャブレターを装着したSports360とSports500では、チョークワイヤーの長さが違い、この点から二車を判別できるので、両車を混同して考察している可能性はありません。

第9回全日本自動車ショーに出展されたベアシャシーはSports360のものだった!

第9回全日本自動車ショーに出展されたベアシャシーは、これまで、ホンダの広報誌 「FLYING 32号(1962発行)」に掲載されたベアシャシーの写真のキャプションや、Sports500の説明が記されたパネルの前に展示されていたこと等から、Sports500のものではないかと推測していたのですが、CAR GRAPHIC誌1962年12月号に掲載されている下掲の写真から、Sports360のものであったことが判明しました。
080118_07cg6212_s360
CAR GRAPHIC 1962年12月号より引用

ご覧のようにリアのオーバーハング部分が短く、テールパイプが後輪の直後にあります。
このシャシーがSports360のものであることは一目瞭然ですね。

小林彰太郎さんは1962年に行なわれたショー出展車の試乗会を取材していた!

詳しくは前回のエントリーを参照下さい。

取り敢えず本日はここまです。
後編は後日アップします。

最後に、ちょいと蛇足を。
これは書くか書くまいかずいぶん悩んだのですが、やはり知っていて知らんぷりをするのは私の信義に反するので、思い切って書いておきます。

とあるブログ主氏が、ホンダOBの方の証言を引用してスポーツ360の生産台数は2台だと主張されていますが、私の知るかぎり、ホンダOBの方はスポーツ360が2台こっきりしか作られなかったなどとは仰っていません。
では、ホンダOBの方はなんと仰っているかですが、情報提供者様に承諾を得ていないので、申し訳ありませんがここには書けません。
ただ、ちょっと考えてみて下さい。
「1963 2X改AS250」のラベルが付いたメーターパネルをお持ちで、それをスポーツ360から外したものだと証言されているホンダOBの方が、“スポーツ360は2台しか作られなかった”などと仰られると思いますか?
“スポーツ360は2台しか作られなかった”ということはつまり、ホンダ会に出展されたFRPボディの2台の62年型か、或いは第9回全日本自動車ショーで公開された鋼鈑ボディの2台の62年型しかスポーツ360は存在しなかったということです。
63年型の部品をお持ちの方が「2台説」を主張されたら自己矛盾になってしまいますね。
当然、ホンダOBの方は、そんな自己矛盾になるような証言はされていません。
これが真実です。

別に波風を立てたい訳ではありません。
ホンダOBの方が、“2台説”を主張されているかのように誤解されてしまうのがどうしても我慢ならなくて書いた次第です。
他意はありません。
理解してもらえますかね。
こんなこと書いちゃうと顰蹙を買うのは目に見えていますが…。
でも、これでいいのだ。
ボンボンバカボン、バカボンボンッ!(懐

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