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2007年6月28日 (木)

Old-timer No,95の記事を読んで

ホンダS360やT360/S500の試作車について研究・考察している三妻自工 Web siteこちらです。

先日発売されたOld-timer誌95号に、S360の記事が掲載されていましたので、その記事に関連するエントリーをちょっと書いてみます。

■まず、ホンダS360のヘッドライトですが、画像から採寸したところTAS260(ホンダ会出展車/FRPボディ)は6インチでした。
AS250(第9回全日本自動車ショー出展車/鋼板ボディ)のヘッドライトは、最初期カタログに7インチと書かれています。(↓)
070628_as250_7
OT誌には「前期が5.5インチ、後期が6インチ」と書かれていて、TAS260のヘッドライトを5.5インチと推測していますが、この推測はおそらく誤りでしょう。
現存しているギザギザ付きの6インチライトカバーは、間違いなくTAS260のものです。
下掲の画像を見て頂けば判るように、AS250のライトカバーにギザギザは付いていません。

これは、第9回全日本自動車ショーに出展されなかった赤のAS250も同様です。
070628_tas260_as250
                                 (クリックで拡大表示)

■TAS260のライトカバーのギザギザは、ノスヒロ誌Vol,31 P67(S360のエクステリアデザインを担当した河村雅夫氏を取材した記事)によると、横方向からの視認性を増すためのものだそうです。
おそらく、ライト点灯時にギザギザの部分で光を横方向に拡散させることを意図してデザインしたのだと思います。
もしかしたら、どうせアラ隠ししなければならないなら、なにか機能を持たせろってことになって、それならギザギザをつけて視認性をよくしよう、ということになったのかもしれませんね。

■現存しているステアリングは、中央のエンブレムが小径で厚みが薄く、木部に黒線があるのでAS250のもので間違いありません。
TAS260のステアリングは、ご覧のようにエンブレムの径が大きく厚みがあり、木部に黒線がありません。また、これは余談ですが、TAS260のメーターパネルは木目でした。
_tas260_as250
                               (クリックで拡大表示)

■OT誌のセンターパネルは、2003年のAHSMで公開されたセンターパネルと各部の特徴が一致しないので、恐らく2つは別物と思われます。
ということは、センターパネルは2つ現存していると考えられます。
070628_ot95_s360
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070628_ahsm 
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070628_ahsm_1
                    (クリックで拡大表示)

■2X改AS2502Xは、軽トラックの試作車(X-120シリーズ)の例に倣えば、AS250の2世代目の試作車という意味になると思います。
OT誌が書いている「スポーツ系は2X」というのは、おそらく誤りでしょう。
’63年型AS250の開発コードついては、実は拙サイトで予想していました。→ 『Honda Sports360の種類』

■TAS260のサイドウインドーは脱着式だったため、レギュレーターハンドルは付いていなかったと考えられるので、現存している3本のレギュレーターハンドルが全てSports360のものであれば、AS250から外された或いはAS250 用に作られたもの、ということになると思います。

■OT誌では、’63年に製作されたS360を「各地の有力ディーラーの展示用に作られたものではないか」と推測していますが、これは間違いです。
それでは、’63年型S360はどういう目的で作られたのかというと・・・。
すみません、私の口からは言えません。
この件に関しては、いずれ時期がくれば然るべき筋から明らかにされると思いますので、それまで気長にお待ち頂ければと思います。。。
まあ、ちょっとだけヒントを言えば、試作車にも喩えば1次試作だとか2次試作、F試作、号口試作など色々ありますよね…。(列記した試作車の呼称は例として挙げただけで、ホンダで用いられている訳ではありませんので、どうか誤解なきよう…)
これ以上は口チャックです。(^x^;

拙サイトにもホンダS360の生存説に関する記述がありますので、興味がある方は探してみて下さい。


【参考資料】

●TAS260(ホンダ会出展車)がFRPボディ/スペースフレームだったことは、中村良夫氏が1962年11月(AS250のテストを行っていた時期)に作成した社内レポート、『技研に於ける4輪開発の経過』(芸文社 Nostalgic Hero Vol,88に掲載)に記されています。
(『技研に於ける4輪開発の経過』はホンダに現存している1次資料です。信憑性の点で1次資料を凌ぐ資料はこの世に存在しません。)
Tas260chassis
                                  (クリックで拡大表示)

●AS250(第9回全日本自動車ショー出展車)は、シャシー(梯子形フレーム)の写真が残っています。
また、ボディが鋼板製であったことは、当時の関係者が証言しています。
As250chassis
                                   (クリックで拡大表示)

●TAS260とAS250の外観の相違点です。
この画像では、両車のホイールベースを揃えていますが、ホイールベースを揃えると、全長が合わなくなる(TAS260の方がライトカバー分 全長が長くなる)ので、TAS260のホイールベースはAS250より短かかったのかもしれません。
01
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コメント

またまた正しい情報ありがとうございます♪

投稿: ebis rider | 2007年6月30日 (土) 午前 08時58分

ebis riderさん>
コメントありがとうございます!
ここに書いたことが全て正しいとは断言できませんが、
でも、一応すべて論拠は示してありますので、それなりに
信用できる情報ではあると自負しております。^^
ebisさんのアンテナには、S360の生存情報は引っ掛かりませんか?

投稿: mizma_g@管理人 | 2007年6月30日 (土) 午後 03時38分

あいにくS360の情報は私のアンテナに引っかかりません^^でもいつか出てくるかもしれませんね♪

投稿: ebis rider | 2007年6月30日 (土) 午後 05時37分

ebis riderさん>
のアンテナを持ってしても、S360の情報はキャッチできませんか…(残念
“広い意味でのS360”の存在は確認できているのですが、
純粋なS360となるとなかなか尻尾を掴めないですね。

投稿: mizma_g@管理人 | 2007年6月30日 (土) 午後 10時23分

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